本記事では附帯工事について解説しております。
附帯工事は建設業法の第四条に定められています。
建設業法 第四条
建設業者は、許可を受けた建設業に係る建設工事を請け負う場合においては、当該建設工事に附帯する他の建設業に係る建設工事を請け負うことができる。
この附帯工事とは何を指すのか、附帯工事を行う上での注意点などに詳しく解説していきます。
建設業者は、許可を受けた建設業に係る建設工事のほか、当該建設工事に附帯する他の建設業に係る建設工事をも請け負うことができます。
この付随する建設工事のことを「附帯工事(ふたいこうじ)」と呼びます。
この附帯工事とは、主たる建設工事を施工するために必要を生じた他の従たる建設工事や、主たる建設工事の施工により必要を生じた他の従たる建設工事であって、それ自体が独立の使用目的に供されるものではないものをいいます。
付帯工事とは、
・主たる建設工事を施工するために必要を生じた他の従たる建設工事
・主たる建設工事の施工により必要を生じた他の従たる工事で、従たる工事自体が独立の使用目的に供されるものではない
①主たる建設工事の施工により必要を生じた他の従たる建設工事(例:管工事の施工に伴って必要を生じた熱絶縁工事、屋根工事の施工に伴って必要を生じた塗装工事など)
②主たる建設工事を施工するために生じた他の従たる建設工事(例:屋内電気工事の施工に伴って必要を生じた内装仕上工事、建具工事の施工に伴って必要を生じたコンクリート工事など)
附帯工事の具体的な判断に当たっては、建設工事の注文者の利便、建設工事の請負契約の慣行等を基準とし、当該建設工事の準備、実施、仕上げ等に当たり一連又は一体の工事として施工することが必要又は相当と認められるか否かを総合的に検討します。
附帯工事に関しては、別途許可は必要ありません。
例えば、電気工事業のみ取得している場合で、エアコン設置工事に伴い、内装仕上工事が発生した場合を想定します。
この場合、主たる工事である電気工事業を保有していれば、内装仕上工事の許可は必要ありません。
ただし、あくまでもこの内装仕上工事が電気工事を施工するために必要を生じた工事であること、内装仕上工事自体が独立の使用目的に供されるものではないことが必要です。
他にも機械器具設置工事のみ建設業許可を保有している場合で、とび土工コンクリート工事が附帯工事として発生する場合などが想定されます。
附帯工事を行うのに、その附帯工事の業種の許可は別途必要がないことを述べました。
ただし、注意しなければいけない点があります。
建設業者は、許可を受けた建設業の建設工事に附帯する他の建設工事(附帯工事)を施工する場合、当該建設工事に関する「専門技術者」を置かなければならない。と建設業法第26条の2第2項に定められています。
■資格要件は、主任技術者と同じです。
■資格要件が備わっていれば、監理技術者又は主任技術者が兼任できます。
■専門技術者を配置しない場合は、当該建設工事の許可を受けた建設業者と下請負契約が必要です。
■建設業の許可を必要としない「軽微な建設工事」を除きます。
附帯工事が軽微な工事の場合には「専門技術者」を置く必要はありません。
当該「附帯工事」を請負業者が自ら施工する場合に、当該業種の資格等を有した専門技術者の配置が必要となります。
自ら施工しない場合はその許可を持った建設業者により下請施工させなければなりません。
軽微な建設工事とは工事一件の請負代金の額が500万円未満の工事(建築一式工事の場合 1,500万円未満)をいいます。
この、軽微な建設工事の場合に置く必要がないのは、あくまでも附帯工事の「専門技術者」であり、主たる工事の「主任技術者」の設置義務はありますので注意しましょう。
建設業法においては、建設業の許可を受けたものが建設工事を施工する場合には、元請・下請、請負金額に係わらず工事現場における工事の施工の技術上の管理をつかさどる者として、主任技術者を配置しなければなりません。
発注者から直接請け負った建設工事を施工するために締結した下請契約の請負代金の額の合計が4,500万円(建築一式工事の場合は7,000万円)以上となる場合には、特定建設業の許可が必要となるとともに、主任技術者に代えて監理技術者を配置しなければなりません。
今回は附帯工事について解説しました。
主たる建設工事の施工に伴って必要を生じた他の従たる建設工事、主たる建設工事を施工をするために生じた他の従たる工事を附帯工事と呼びます。
附帯工事を主たる工事とともに請け負う場合、主たる工事に関する建設業許可を有していれば足ります。
ただし、当該「附帯工事」を請負業者が自ら施工する場合は、当該業種の資格等を有した「専門技術者」の配置が必要となり、また、自ら施工しない場合はその許可を持った建設業者により下請施工させなければなりません。
それぞれの工事が独立の使用目的に供されるものは、「附帯工事」とはいえないため注意しましょう。
以上、ご参考になりますと幸いです。
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