本記事では、大阪府で建設業許可を取得したい方に役立つ情報をまとめております。
ぜひ最後までお読みください。
目次
建設工事の完成を請け負うことを営業とする場合、国土交通大臣又は都道府県知事から建設工事の種類に対応した業種ごとに、建設業許可を受けなければなりません。
ただし、次に掲げる工事のみを請け負う場合は、必ずしも建設業許可を必要としません。
【建築一式工事の場合】
工事1件の請負額が1,500万円未満の工事、又は延べ面積が150平方メートル未満の木造住宅工事
【建築一式工事以外の工事の場合】
工事1件の請負額が500万円未満の工事
許可の有効期間は5年間です。
それ以降も引き続いて建設業を営もうとする場合は、許可の更新を受ける必要があります。
2以上の都道府県の区域内に営業所を設けて
営業をしようとする場合に該当します。
1の都道府県の区域内にのみ営業所を設けて
営業をしようとする場合に該当します。
発注者から直接請け負う1件の元請工事について、下請人に施工させる額の合計額(税込み)が 4,000 万円以上(建築一式工事の場合は 6,000 万円以上)となる場合を指します。
特定建設業以外の場合を指します。
※「下請代金の額」について、発注者から直接請け負う一件の建設工事につき、元請負人が 4,000万円(建築一式工事にあっては 6,000 万円)以上の工事を下請施工させようとする時の 4,000 万円には、元請負人が提供する材料等の価格は含みません。
建設業許可は以下の4類型に分かれることになります。
営業所の所在地や下請けへの金額等を考慮し、どの分類に該当するかを確認してください。
一人親方の場合、「都道府県知事許可」の「一般建設業」を取得することがほとんどです。
①「国土交通大臣許可」の「特定建設業」
②「国土交通大臣許可」の「一般建設業」
③「都道府県知事許可」の「特定建設業」
④「都道府県知事許可」の「一般建設業」
29業種あるうちの1つの業種で、特定建設業も一般建設業も取得することはできません。
また、1法人で知事許可も大臣許可も取得するということもできません。
建設工事は、一式工事である土木一式工事と建築一式工事の2つと、27の専門工事に分類されます。
合計で29業種が法律に定められています。
建設業の許可を受けるためには、下記の要件を全て満たす必要があります。
①経営業務の管理責任者等の設置
②専任技術者の設置
③誠実性を有していること
④財産的基礎又は金銭的信用を有していること
⑤欠格要件に該当しないこと
⑥適切な社会保険への加入
建設業許可を取得するには大きく分けて「人、モノ、お金」の要件をすべて満たす必要があります。
建設業許可はこのうちの「人」の部分に重きをおく許可と言えます。
「人」の要件とは、経営業務の管理責任者を置くことと、専任技術者がいることの2点です。
建設業許可をスムーズに申請するには、まずこの2点の要件を満たしているか確認しましょう。
建設業の許可を受ける場合、その事業者に適切な経営体制があるかどうかの一定の基準が求められます。
簡単にいうと、建設業界で経営の経験がある人物のことをいいます。
専任技術者と違い、資格試験などで経営業務の管理責任者になることはできません。
この建設業法で求められる「一定の基準を満たす人物を置くこと」は建設業許可を取得する上で重要な要件の一つです。
経営業務の管理責任者は、法人であれば常勤の取締役から選任することになります。
常勤であれば代表取締役でなくても問題ありません。
経営業務の管理責任者の要件は以下のように定められています。
(1)建設業に関し5年以上の法人の常勤役員等又は個人事業主等としての経営業務を管理していた経験を有するもの
建設業に関し5年以上取締役、執行役、組合理事等の経験をした者がいれば経営業務の管理責任者になることが可能です。
この要件で経営業務の管理責任者になることが一番簡単な方法です。
なぜならば取締役等の経験は会社の登記簿謄本や確定申告書で証明が可能となるためです。
5年以上の経営経験を有する人物が自社の役員にいれば、適正な経営体制があることになります。
具体的には以下の人物が当てはまります。
取締役、執行役、(法人格のある)組合等の理事、個人事業主など
各書類は、証明したい期間分(5年分)必要となりますので注意しましょう。
・法人税の確定申告書のうち、別表一・決算報告書
⇒営業の実態の証明書類
・工事内容、工事期間、請負金額が確認できる工事の契約書、注文書、請求書等
⇒営業の実績の証明書類
・履歴事項全部証明書、閉鎖事項全部証明書、法人税の確定申告書のうち役員報酬手当及び人件費等の内訳書
⇒常勤の役員の証明書類
・所得税の確定申告書の第一表
⇒営業の実態の証明書類
・工事内容、工事期間、請負金額が確認できる工事の契約書、注文書、請求書等
⇒営業の実績の証明書類
(2)建設業に関し5年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位(執行役員等)にあり、経営業務を管理する経験を有する者
取締役会の決議を経て取締役会又は代表取締役から具体的な権限委譲を受けていた役員(=執行役員等)のことをさします。
かつ、その権限に基づき、執行役員等として5年以上建設業の経営業務を総合的に管理した経験が必要です。
執行役員としての経験は比較的規模の大きい会社での経験が想定されていますので、少人数の会社(10名程度)では認められないことも多いようです。
(3)建設業に関し、6年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として管理責任者を補助する経験を有する者
業務執行権限を持つ者を補助する立場を経験している方が当てはまります。
主に副支店長や副所長などをさします。建設業について6年以上この経験を有する人物が役員にいることが必要です。
こちらの証明も大変難しく、ハードルが高いのが現状です。
(4)建設業に関し2年以上役員等としての経験があり、かつ5年以上役員又は役員に次ぐ地位(財務、労務、業務運営に限る)にある経験がある者
(5)5年以上役員等としての経験を有し、かつ建設業に関し2年以上役員等としての経験を有する者
法改正で新設された制度で、証明する難易度も高くなっています。
(1)以外の経験で経営業務の管理責任者になる場合は事前に担当の行政庁に相談する必要があります。
建設工事に関する請負契約の適正な締結、履行を確保するためには、許可を受けようとする建設業に係る建設工事についての専門的知識が必要になります。
見積、入札、請負契約締結等の建設業に関する営業は各営業所で行われることから、営業所ごとに許可を受けようとする建設業に関して、一定の資格または経験を有した者を設置することが必要です。
上記の者を「専任技術者」と呼びます。
専任技術者とは、簡単に言えば「技術者としての知識や経験を有しており、営業所に専属で常勤として従事している者」です。
そのため、他の営業所や他の仕事との掛け持ちは認められません。あくまでも営業所の専属で常勤している必要があります。
学歴+実務経験で専任技術者になるケース
指定学科修了者で高卒後5年以上若しくは大卒後3年以上の実務の経験を有する者
許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関して、高校卒業後5年以上若しくは大学卒業後3年以上の実務経験を有し、かつ、それぞれ在学中に許可を受けようとする建設業に係る建設工事ごとに指定された学科(指定学科)を修めている者
指定学科修了者で専門学校卒業後5年以上実務の経験を有する者又は専門学校卒業後3年以上実務の経験を有する者で専門士若しくは高度専門士を称する者
・許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関して、専門学校後5年以上の実務経験を有し、かつ、在学中に許可を受けようとする建設業に係る建設工事ごとに指定された学科(指定学科)を修めている者
・許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関して、専門学校後3年以上の実務経験を有し、かつ、在学中に許可を受けようとする建設業に係る建設工事ごとに指定された学科(指定学科)を修めている者のうち、専門士又は高度専門士を称する者
指定の学科とは、法令で定められています。具体的には15の業種の区分に応じて次の学科が指定されています。
指定学科一覧はこちら
実務経験10年で専任技術者になるケース
許可を受けようとする業種に係る建設工事に関し10年以上の実務の経験を有する者は専任技術者になることができます。
「実務の経験」とは、建設工事の施工に関する技術上のすべての職務経験をいいます。雑務のみの経験年数は含まれません。建設工事の発注にあたって設計技術者として設計に従事し、又は現場監督技術者として監督に従事した経験、土工及びその見習いに従事した経験等も含めて取り扱われます。
10年の実務の経験の期間は、当該建設工事に係る経験期間を積み上げ合計して得た期間とし、複数の業種を証明することはできませんので注意が必要です。
経験期間が重複しているものであっても原則として二重に計算されません。
ただし、平成 28 年 5 月 31 日までにとび・土工工事業許可で請け負った解体工事についての実務の経験の期間については、とび・土工工事業と解体工事業両方の実務の経験として二重に計算できるとされています。
国家資格で専任技術者になるケース
許可を受けようとする業種に関し、指定された国家資格を有している者は専任技術者になることができます。
経験で専任技術者になるためには、それを証明する書類が10年分必要となり、ハードルが上がります。
そのため、資格で専任技術者になることが最も簡単な方法と言えます。
10年の実務経験は、書類で明確に証明しないといけません。証明できない期間は積み上げができません。
具体的には工期・工事名・工事内容・請負金額がわかる申請業種の工事契約書や注文書、請求書、工事請負書などで証明します。
証明が必要な期間分すべての資料の原本が必要です。
・ (年金の)被保険者記録照会回答票
・ 雇用保険被保険者証(申請時点において継続して雇用されている場合)
・ 雇用保険被保険者離職票(申請時点において離職している場合)
・ 証明者が個人事業主の場合、証明者の所得税の確定申告書のうち、税務署の受付印のある第一表+専従者給与欄又は給与支払者欄に内訳・氏名の記載がある書類
・ 証明者の印鑑証明書
※証明者と申請者が同一の場合又は過去に建設業者から証明を受けている場合は原則不要とされています。
経営業務の管理責任者と専任技術者は、確保ができれば大まかな要件を満たしたと考えても良いくらい重要な2点です。
免許申請の際に必要となる書類については以下の記事で解説しております。
法人と個人では準備する書類が異なるので注意しましょう。
大阪府は、都市整備部 住宅建築局建築指導室建築振興課に提出します。
〒559-8555 大阪市住之江区南港北1-14-16
大阪府咲洲庁舎(さきしまコスモタワー)1階
電話番号:06-6941-0351
2つ以上の都道府県の区域内に営業所を設けて営業しようとする場合に国土交通大臣許可となります。
国土交通大臣許可の場合、近畿地方整備局の建政部建設産業第一課が申請先となります。
〒540-8586
大阪市中央区大手前1-5-44 大阪合同庁舎1号館
電話番号:06(6942)1141
管轄区域
福井県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県
申請手数料は、申請の区分ごとに異なります。
標準処理期間は、申請書が受付された日から、許可の通知書を発送するまで土日・祝日を含んで30日とされています。
ただし大型連休や年末年始など例外もありますので、なるべく余裕をもって申請する方がよいでしょう。
許可の通知書は、営業所確認のため申請者の営業所(本店)あてに郵送されます。
「転送不要」の普通郵便で郵送されますので、万が一営業所を移転する場合、転送届のタイミングに注意が必要です。
今回は大阪府で建設業許可を申請する方法について解説いたしました。
当事務所は女性行政書士が切り盛りする行政書士事務所です。
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