「婚前契約書」をご存じでしょうか?プリナップ・プレナップとも呼ばれます。
婚前契約書とはその名の通り、結婚前に結婚後の約束事について2人で話し合い、契約書にしておくことを言います。
日本でも徐々に浸透してきている契約ですが、アメリカでは広く浸透しています。
「婚前契約書」と聞くとお堅い印象を持つ方も多いのではないでしょうか?
しかし、婚前契約書を結ぶには2人の話し合いが必要になります。
これからどんな結婚生活を送りたいのか?子供はどうするのか?など・・
普段は話し合いづらいことも、これを機に話し合うきっかけになることも婚前契約書のメリットの一つです。
今回は、婚前契約書を結ぶメリットや結び方、記入内容について徹底解説いたします。
目次
「婚前契約」とは、結婚する前に2人で結婚後の生活を話し合い、ルールを決めることです。
結婚する上でお互いに大切なことや、譲れないこと、夫婦生活を始めるにあたって話し合っておくことは沢山あります。
このルールにいて2人で話し合った後は、文章に残すことをおすすめしています。
この契約を契約文章にしたものが婚前契約書(プリナップ)になります。
日本ではまだ深く浸透していない婚前契約書ですが、海外ではプリナップと呼ばれ、多くのカップルが活用しています。
近年では晩婚化が進み、経済的にも独立した女性が多いのではないでしょうか?
男女問わず所有する財産が多い方は、自分の財産をいかに守るかということも考えておきたいところです。
婚前契約書を結ぶメリットは沢山あります。
■話し合いを設けることで、2人のコミュニケーションが深まる
■結婚後の生活をイメージでき、自覚が生まれる
■相手の価値観を知ることができる
■同じ目的や理念を共有して、協力し合える
■財産などについて約束をし、離婚などの万が一の時に備える
■普段聞けないことも確認できるいい機会になる
「離婚」と聞くと、結婚前の二人にとっては不吉なこと、自分達には無関係だと思いがちですが、決して他人事ではありません。
今や3組に1組が離婚している時代です。
何より結婚後、お金で揉めるカップルは本当に多いです。だからこそ結婚前の話し合いが重要になります!
結婚後に「こんなはずじゃなかった。」と後悔しても遅いのです。
婚前契約書を作成するにあたり、「契約書」か「公正証書」を選択することになります。
契約書とは、契約が締結されたことを証明した文書のこです。
2人で話し合った内容を文章にして契約します。
こちらは契約書の体制を整えておくことが必要です。
裁判でも無効な内容を定めない限り、証拠として認められます。
公正証書と異なり、当事者間で完結するため手数料等は発生しません。
なるべく費用を抑えて作成したい方におすすめです。
公正証書とは、私人からの嘱託により、公務員である公証人がその権限に基づいて作成する公文書のことです。
2人で話し合った内容を文章にして原案を作成し、公証役場で公証人に契約書を作ってもらいます。
公正証書として公証役場へ保管されるため、紛失のリスクも回避できます。
ただし、手続きが煩雑なので、専門家(弁護士や行政書士)の手を借りるほうがスムーズです。
公証人が作成した文書には、公正の効力が生じ、反証のない限り完全な証拠力を有します。
このように公正証書は、極めて強力な証拠力があります。
公証役場へ支払う手数料が別途必要になりますが、お金をかけてもしっかり契約を結んでおきたい方におすすめです。
婚前契約書を作成することに決めたら、まずは話し合いからスタートしましょう。
どのような内容を話し合うかについては以下を参考にしてください。
理想の夫婦像について、夫婦のあり方について話し合いをしましょう。
最初に理念を定めておけば、これから夫婦関係に迷ったりピンチが訪れても読み返して初心に戻ることもできます。
この項目は結婚の誓いとなり、婚前契約書の項目の中でも特に重要な事項です。
2人でゆっくりと話し合い、どのような結婚生活を送り、どのような夫婦になりたいのか決めましょう。
結婚後も仕事は続けるのか、どちらかが専業主婦(夫)になるのかなどの話し合いです。
食事の買い出し、準備や片付けはどちらが行うのか、洗濯や掃除などをどうするのかの項目です。
お互いに理解して協力できるように話し合いましょう。
子供は欲しいのか、欲しくないのか、作るとしたら何人くらい作りたいのかなどを話し合いましょう。
また、どちらか(又は双方)に原因があり不妊治療が必要になった時にどうするのかなども話しておくとトラブルを防げます。
それ以外にも、子供ができたら育児への参加はどうするのかも話し合いましょう。
今あるお金についてはオープンに話し合うことも大切です。
それを元にこれからの収入でどのように日々生活していくのか、お小遣い制か財布を別にするのかなども話しておきましょう。
また将来マイホームを購入する時はローンをどうするのかなども重要です。
お金の揉めことは本当に多いです。ここは時間をかけてゆっくり話し合いましょう。
結婚後、両家との同居をどうしたいのか、将来同居の可能性はあるのかなどをしっかり話し合いましょう。
老後のお世話をどうするのかなども話し合っておくとトラブル防止になります。
結婚するとなると当事者間だけの問題ではなくなります。
お互いが納得して幸せになれる話し合いを行うことが大切です。
このほかにも、趣味やこだわりなどについてや、健康についてなども話し合うと結婚後のイメージがつきやすくなります。
他にはタバコやお酒やギャンブル、宗教などについても話し合いをしておくべきでしょう。
話し合った内容を文章にして、契約書の形にします。
あまりにも細かく内容を定めすぎると、ルールだらけで息苦しくなるものです。
話し合いをしっかり行い、どの項目を契約書にするのかなども話し合い結婚後のよい指針となるようにすることをお勧めします。
婚前契約書は基本的にどんな項目を入れても問題ありません。
ただし、第三者の利害にかかわる事項を定めてもその部分は効力が認められません。
具体的には・・
・離婚時の子供の親権について
・相手の相続について
・第三者の権利を侵害すること などが挙げられます。
婚前契約書はすべての方にお勧めしたいものですが、特に以下の項目に当てはまる方にお勧めしています。
・事実婚のカップル
・再婚や子連れのカップル
・国際結婚のカップル
→例えば将来の住居地や海外の親戚との付き合いについて、宗教についてなどの項目を設けましょう。
2人での話し合いが終わったら、契約内容を条文のかたちにまとめます。
契約書本文や署名欄を作成して、全体を2人で確認します。
この時に誤字や脱字がないかを念入りにチェックしましょう。
作成した内容で双方が合意したら署名捺印して保存します。(契約書形式の場合)
公正証書の場合
原案を公証役場へ持ち込み、公正証書作成の手続きをとる必要があります。
ファイルなどに挟んでしっかり保存しましょう。
保存場所はあまり人目に触れないところで、忘れない場所にしておくことをお勧めします。
万が一契約書をなくしてしまった場合に備えて、契約書はデータにしておくこともお勧めです。
婚前契約書は作りっぱなしにせず、定期的に見直しを行いましょう。
夫婦の関係やその環境も数年経つうちに変化していくものです。
都度二人に合った契約書になるように更新することも必要です。
別紙の契約書を作成し、二人の署名と捺印をします。
冒頭に「甲〇〇と乙〇〇は、新たに次の項目について契約を締結する」と書き、追加の項目を箇条書きします。
文章中の一部を修正したい場合、その部分を二重線で消します。
その上部に修正したい文字を記入し、下部にお互いの訂正印を押します。
ある項目だけなくしたい場合、その項目の近くの欄外に「第〇条全文削除」と書き加えます。
下部に二人の訂正印を押しましょう。
公正証書の変更の場合
公正証書を変更したい場合、作成時と同じ手順で手続きを経なければなりません。
手数料も同じようにかかるため気軽には変更できません。
逆を言えば、それだけ法的効力が強いということです。
婚前契約書(クリナップ)について解説しました。
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