宅建業の無免許営業はバレるか考察!罰則は?

宅建業を営むには、宅建業法に基づく免許が必要です。
この宅建業の免許ですが、取得する前から無免許で営業してしまっている事業者様が一定数いらっしゃいます。
故意に無免許で営業していたという方から、免許が必要だと思わなかったという方も・・・

本記事では、そもそも宅建業の免許を取得しないとできない取引はどういったものか、無免許営業はバレるのかをズバリ解説していきたいと思います。

宅地建物取引業(宅建業)とは

そもそも宅建業に該当しない場合、宅建業免許申請は不要です。
「宅建業」とは、不特定多数の人を相手方として宅地又は建物に関し、下表の○印の行為を反復または継続して行い、社会通念上、事業の遂行と見ることができる程度の業を行う行為をいう。と規定されています。
この〇の部分(宅建業)を業として営むには、宅建業法に基づく免許が必要になります。

ここでいう「宅地」・「建物」とは

上記で記載した「宅地又は建物」とは一体どういったものが該当するのでしょうか。

宅建業法上の「宅地」とは

建物の敷地に供せられる土地の場合
建物の敷地に供せられる土地であれば全て該当します。
これは、用途地域の内外、地目のいかんを問いません。
現に宅地として利用されている土地だけでなく、宅地化される目的で取引されるものも「宅地」となります。

用途地域内の土地の場合
道路、公園、河川、広場、水路の用に供せられる土地は宅地から除かれます。

宅建業法上の「建物」とは

取引の対象となる建物全般をいいます。マンションやアパートの一部も「建物」に含まれます。

反復または継続とは

「反復継続」とは、繰り返し不動産取引を行うという意味です。
反復継続的に取引を行おうとするものは事業性が高く、1回限りの取引として行おうとするものは事業性が低いとされています。
反復継続性は、現在の状況のみならず、過去の行為並びに将来の行為の予定及びその蓋然性も含めて判断します。
また、1回の販売行為として行われるものであっても、区画割りして行う宅地の販売等複数の者に対して行われるものは反復継続的な取引に該当します。

注意点

・自己の物件を貸し出す行為は宅建業には該当しません。
・自己所有地を不特定多数の者に分譲することは、宅地建物取引業者が仲介するしないにかかわらず、宅建業となります。
・不動産業であっても、不動産賃貸業、貸家業、貸間業、不動産管理業などの不動産賃貸・管理業は宅建業には該当しません。

無免許の罰則

宅地建物取引業を無免許で行うと当然ながら罰則があります。
宅地建物取引業法第12条で、無免許で宅地建物取引業の営業を営んではならない。ことが規定されています。

無免許の営業を行なった者には、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金(または両者の併科)が予定されています。
この罰則は宅地建物取引業法上の最も重い罰則です。

また、無免許の表示行為・広告行為の禁止も当然禁止されており、罰則が規定されています。

ここまで宅建業の免許が必要になるケースと無免許営業による罰則を解説しました。
ここからが本題の「無免許営業はバレるのか」についてです。

無免許営業はどのようにばれるのか

結論から申し上げると、無免許営業はいずればれると思っています。

無免許営業の犯罪性は、事業者だけでなく、行政庁も認識しています。
行政庁が無免許営業を警察に通報することもありますし、一般消費者から通報されるケースもあります。

警察の検挙事例も多数あり、逮捕者も多数いることから無免許営業の多さや発覚事例の多さが判断できます。

また決算書を見れば不動産取引をしていることが判断できます。
従業員や知人からの告発も十分に考えられるでしょう。

無免許で営業しても、後ろめたい気持ちや「バレたらどうしよう」といった心配が尽きないものです。
宅建業の取引が発生する場合、必ず免許を取得しましょう。

宅地建物取引業法違反の検挙状況

不動産関係事犯のうち、宅地建物取引業法違反の令和元年中における検挙状況は、不動産関係事犯全体の3割を占めています。
その違反態様を見ると、無免許営業違反が占める割合は、検挙件数で約46%、検挙人員で約36%を占めています。
その他にも無免許広告や免許不正取得等で検挙される事例も、毎年のように発生しています。
 

宅建業免許の要件をおさらい

宅建業免許取得の要件は以下の三つです。

①欠格要件に該当していないこと

免許を受けようとする者(法人の場合、役員も含む)が欠格要件に該当するときは、免許がおりません。

① 免許申請書やその添付書類中に重要な事項についての虚偽の記載があったり、重要な事実の記載が欠けている場合
②申請前5年以内に次のいずれかに該当した場合
-免許不正取得、情状が特に重い不正不当行為、又は業務停止処分違反をして免許を取り消された
-前記のいずれかの事由に該当するとして、免許取消処分の聴聞の公示をされた後、相当の理由なく廃業等の届出を行った
-禁錮以上の刑に処せられた
-宅建業法、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定に違反し、又は刑法(傷害・現場助勢・暴行・凶器準備集合・脅迫・背任)の罪、暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯し、罰金の刑に処せられた
-暴力団員等
-免許申請前5年以内に宅地建物取引業に関して不正または著しく不当な行為をした
③ 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない
④ 宅地建物取引業に関し不正または不誠実な行為をするおそれが明らか
⑤ 精神の機能の障害により宅地建物取引業を適正に営むに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない
⑥ 事務所に専任の宅地建物取引士を設置していない

事務所要件を満たしていること

事務所については物理的にも社会通念上も独立した業務を行いうる機能をもつ事務所として認識できる程度の形態を備えていることが必要です。

専任の宅地建物取引士がいること

専任の宅地建物取引士は、業務に従事する者5人に1人以上置かなければなりません。

まとめ

当事務所では開業当初より、宅建業の免許申請を多数サポートしております。
お忙しい事業者様に代わり、必要書類の収集~作成、提出の代理まで行っております。
大阪府をはじめ、兵庫県、京都府、奈良県などの地域の他、出張も対応しております。
宅建業免許申請でお困りのことがありましたらお気軽にお問い合わせくださいませ。

当事務所報酬
宅建業免許申請:7万円(税抜き)
保証協会加入手続き:2万円(税抜き)