実務経験証明書の書き方を徹底解説!建設業許可申請

本記事では、建設業許可申請で必要となる場合がある「実務経験証明書(省令様式第9号)」について解説しております。
建設業許可における「実務経験証明書」とはどんなときに必要になるのか、また、記載項目についても実際の記入例を交えて解説しております。

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「実務経験証明書」とは

建設業許可における実務経験証明書とは、専任技術者の実務経験を証明する際に作成する書類です。

専任技術者とは

専任技術者とは、技術者としての知識や経験を有しており、営業所に専属で常勤として従事している者です。
建設業許可を受ける事業者は、営業所ごとに許可を受けようとする建設業に関して一定の資格または経験を有した者を設置することが必要です。

専任技術者は誰でもなれるわけではありません。

専任技術者になれる者(一般建設業)

必要な資格を有する者(国家資格者)

許可を受けようとする業種に関し、指定された国家資格を有している者は専任技術者になることができます。
この場合、実務経験証明書は必要ありません。
営業所専任技術者となり得る国家資格等一覧はこちら

学歴+実務経験を有している者

指定学科修了者で高卒後5年以上若しくは大卒後3年以上の実務の経験を有する者

許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関して、高校卒業後5年以上若しくは大学卒業後3年以上の実務経験を有し、かつ、それぞれ在学中に許可を受けようとする建設業に係る建設工事ごとに指定された学科(指定学科)を修めている者

指定学科修了者で専門学校卒業後5年以上実務の経験を有する者又は専門学校卒業後3年以上実務の経験を有する者で専門士若しくは高度専門士を称する者

・許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関して、専門学校後5年以上の実務経験を有し、かつ、在学中に許可を受けようとする建設業に係る建設工事ごとに指定された学科(指定学科)を修めている者

・許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関して、専門学校後3年以上の実務経験を有し、かつ、在学中に許可を受けようとする建設業に係る建設工事ごとに指定された学科(指定学科)を修めている者のうち、専門士又は高度専門士を称する者

実務経験10年を有している者

許可を受けようとする業種に係る建設工事に関し10年以上の実務の経験を有する者は専任技術者になることができます。

「実務の経験」とは、建設工事の施工に関する技術上のすべての職務経験をいいます。雑務のみの経験年数は含まれません。
建設工事の発注にあたって設計技術者として設計に従事し、又は現場監督技術者として監督に従事した経験、土工及びその見習いに従事した経験等も含めて取り扱われます。

実務経験を証明する書類

上記の「実務経験」を証明する書類の1つがこの「実務経験証明書」です。
実務経験証明書が必要になるのは以下のケースです。

実務経験証明書について

実際の実務経験証明書(省令様式第9号)は以下の様式です。
ここからは実際の記入方法について解説していきます。

実務経験証明書の主な記入内容

証明者

その技術者の実務経験を証明する者を記入します。
元勤務先や、個人事業主の場合は事業主本人が証明することになります。

実務経験の内容

実務経験の内容について、工事は1 行につき1 件を具体的に記載します。
それぞれの工事について工事名・工事内容・工期がわかる確認書類の提示が必要です。

職名

当時担当していた役職名を具体的に記載します。

例:個人事業主、現場監督、工事部長、取締役など

使用された期間

実際に雇用された期間を記載します。
経験期間の在籍が確認できる書類の提出が必要です。

・ (年金の)被保険者記録照会回答票
・ 雇用保険被保険者証(申請時点において継続して雇用されている場合)
・ 雇用保険被保険者離職票(申請時点において離職している場合)
・ 証明者が個人事業主の場合、証明者の所得税の確定申告書のうち、税務署の受付印のある第一表+専従者給与欄又は給与支払者欄に内訳・氏名の記載がある書類
・ 証明者の印鑑証明書

証明者と申請者が同一の場合又は過去に建設業者から証明を受けている場合は原則不要とされています。

被証明者との関係

証明者との関係を記載します。

■被証明者が証明者に在職している場合
→「役員、法人とその役員、従業員」になります。

■すでに退職している場合
→「元役員、元社員、元使用人」などになります。

■個人事業主の場合
→「本人」

■個人事業主から法人成りしている場合
→「元事業主」となります。

実務経験年数

大阪府の場合、1 件の工事と工事の期間が12 か月を超えて空かない場合、連続して実務経験があることとみなされます。

全て埋まるとこのような形になります。

10年の実務の経験の期間は、当該建設工事に係る経験期間を積み上げ合計して得た期間とし、複数の業種を証明することはできませんので注意が必要です。

経験期間が重複しているものであっても原則として二重に計算されません。
ただし、平成 28 年 5 月 31 日までにとび・土工工事業許可で請け負った解体工事についての実務の経験の期間については、とび・土工工事業と解体工事業両方の実務の経験として二重に計算できるとされています。

注意点

専任技術者に「資格+実務経験」でなる場合は、資格取得後の工事のみが実務経験年数として認められます。
本ブログでは大阪府のルールに従い、解説しております。
各自治体によって記入ルールが異なりますので、申請する自治体のルールを確認してみてください。

以上、ご参考になりますと幸いです。

まとめ

当事務所は女性行政書士が切り盛りする行政書士事務所です。
女性ならではの柔軟性や丁寧さに加え、フットワークの軽さにも自信があります。
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