【建設業】水道施設工事とは?許可を取る(申請)方法

今回は29業種あるうちの「水道施設工事」について解説いたします。

建設工事の種類と業種

建設工事は、一式工事である土木一式工事と建築一式工事の2つと、27の専門工事に分類されます。
合計で29業種が法律に定められています。

水道施設工事とは

水道施設工事は、27の専門工事のうちの1つに分類されます。
工事の内容は、上水道、工業用水道等のための取水、浄水、配水等の施設を築造する工事又は公共下水道若しくは流域下水道の処理設備を設置する工事などで、例えば以下の工事が該当します。

取水施設工事
浄水施設工事
配水施設工事
下水処理設備工事

上下水道に関する施設の建設工事についての区分の考え方

上下水道に関する施設の建設工事における「土木一式工事」、「管工事」及び「水道施設工事」間の区分の考え方は、以下の通りです。

土木一式工事

公道下等の下水道の配管工事及び下水処理場自体の敷地造成工事が該当します。
農業用水道、かんがい用配水施設等の建設工事も「水道施設工事」ではなく「土木一式工事」です。

管工事

家屋その他の施設の敷地内の配管工事及び上水道等の配水小管を設置する工事が該当します。

水道施設工事

上水道等の取水、浄水、配水等の施設及び下水処理場内の処理設備を築造、設置する工事が該当します。

尿処理に関する施設の建設工事における区分の考え方

尿処理に関する施設の建設工事における「管工事」、「水道施設工事」及び「清掃施設工事」間の区分の考え方は、以下の通りです。

管工事

規模の大小を問わず浄化槽(合併処理槽を含む。)によりし尿を処理する施設の建設工事が該当します。

水道施設工事

公共団体が設置するもので下水道により収集された汚水を処理する施設の建設工事が該当します。

清掃施設工事

公共団体が設置するもので汲取方式により収集されたし尿を処理する施設の建設工事が該当します。

水道施設工事業で専任技術者になれる者

建設業の許可を受けるには、営業所毎に専任の技術者の配置が求められています。
専任技術者になるためには、以下の①又は②の要件を満たす必要があります。
①水道施設工事業に関する資格を持っていること
②水道施設工事業に関して10年以上の実務経験があること
※この「10年」は特定の学歴があれば期間が短縮されます。

詳しくは以下の専任技術者の記事で解説しております。
https://kanamioffice.jp/sengitoha/

資格で専任技術者になる場合(一般建設業)

以下の資格を有する者は一般建設業の水道施設工事業の専任技術者になることができます。
・1級土木施工管理技士
・2級土木施工管理技士
・技術士

上下水道「上水道及び工業用水道」・総合技術監理「上下水道-上水道及び工業用水道」
衛生工学「水質管理」・総合技術監理「衛生工学-水質管理」
衛生工学「廃棄物管理」・総合技術監理「衛生工学-廃棄物管理」

資格で専任技術者になる場合(特定建設業)

以下の資格を有する者は特定建設業の水道施設工事業の専任技術者になることができます。
・1級土木施工管理技士
・技術士

上下水道「上水道及び工業用水道」・総合技術監理「上下水道-上水道及び工業用水道」
衛生工学「水質管理」・総合技術監理「衛生工学-水質管理」
衛生工学「廃棄物管理」・総合技術監理「衛生工学-廃棄物管理」

許可取得のための その他の要件

建設業許可を取得するためには、以下の要件を全て満たす必要があります。

①経営業務の管理責任者等の設置
②専任技術者の設置:上記で解説済み
③誠実性を有していること
④財産的基礎又は金銭的信用を有していること
⑤欠格要件に該当しないこと
⑥適切な社会保険への加入

②の専任技術者の要件は先に述べました。
残りの要件のうち、最も難しいのが①の「経営業務の管理責任者等の設置」です。

経営業務の管理責任者の要件

経営業務の管理責任者は、法人であれば常勤の取締役から選任することになります。
常勤であれば代表取締役でなくても問題ありません。
個人事業主の場合、事業主がなります。

経営業務の管理責任者になれる要件は以下のように定められています。

(1)建設業に関し5年以上の法人の常勤役員等又は個人事業主等としての経営業務を管理していた経験を有するもの

建設業に関し5年以上取締役、執行役、組合理事等の経験をした者がいれば経営業務の管理責任者になることが可能です。

この要件で経営業務の管理責任者になることが一番最適な方法です。
なぜならば取締役等の経験は会社の登記簿謄本で簡単に証明ができるためです。(個人事業主であれば確定申告書で証明します。)
5年以上の経営経験を有する人物が自社の役員にいれば、適正な経営体制があることになります。

具体的には以下の人物が当てはまります。

取締役、執行役、(法人格のある)組合等の理事、個人事業主など

許可の申請窓口

大臣許可の場合

国土交通省近畿地方整備局(許可行政庁)に直接持参又は郵送で提出します。

大阪府知事許可の場合

大阪府へ許可申請をする場合の申請先は以下です。

大阪府 建築振興課
大阪市住之江区南港北1丁目14-16
大阪府咲洲庁舎(さきしまコスモタワー)1階

兵庫県知事許可の場合

兵庫県は、申請者の主たる営業所の所在地を所管する土木事務所に提出します。

神戸市

神戸県民センター 神戸土木事務所 建設業課
〒653-0055 神戸市長田区浪松町3-2-5

尼崎市、西宮市、芦屋市

阪神南県民センター 西宮土木事務所 建設業課
〒662-0854 西宮市櫨(はぜ)塚町2-28

伊丹市、宝塚市、川西市、三田市、猪名川町

阪神北県民局 宝塚土木事務所 建設業課
〒665-8567 宝塚市旭町2-4-15

明石市、加古川市、高砂市、稲美町、播磨町

東播磨県民局 加古川土木事務所 建設業課
〒675-8566 加古川市加古川町寺家町天神木97-1

西脇市、三木市、小野市、加西市、加東市、多可町

北播磨県民局 加東土木事務所 まちづくり建築課
〒673-1431 加東市社字西柿1075-2

姫路市、市川町、福崎町、神河町、相生市、たつの市、赤穂市、宍粟市、上郡町、太子町、佐用町

中播磨県民センター 姫路土木事務所 建設業課
〒670-0947 姫路市北条1-98

豊岡市、香美町、新温泉町、養父市、朝来市

但馬県民局 豊岡土木事務所 まちづくり建築第1課(豊岡総合庁舎)
〒668-0025 豊岡市幸町7-11

丹波篠山市、丹波市

丹波県民局 丹波土木事務所 まちづくり建築課
〒669-3309 丹波市柏原町柏原688

洲本市、淡路市、南あわじ市

淡路県民局 洲本土木事務所 まちづくり建築課
〒656-0021 洲本市塩屋2-4-5

申請後の標準処理期間

標準処理期間は、申請書を受付した日から許可の通知書を発送するまでの標準処理期間は土日、祝日を含む30日とされています。
ただし、年末年始の閉庁日(12月29 日~1月3日)、大型連休は標準処理期間に含まれないので余裕をもって申請しましょう。

許可の有効期間

建設業許可の有効期間は、許可のあった日から5年目の当該許可があった日に対応する日の前日をもって満了します。
※許可の有効期間の満了後も、引き続き当該許可に係る建設業を営もうとする建設業者は、有効期間の満了する日の30日前までに更新に係る許可申請書を提出しなければなりません。

まとめ

今回は水道施設工事業の許可申請について解説いたしました。

当事務所は女性行政書士が切り盛りする行政書士事務所です。
女性ならではの柔軟性や丁寧さに加え、フットワークの軽さにも自信があります。
事務所は大阪ですが、他府県であっても出張する準備がございます。
許可の取得でお困りの際は、お気軽にお問合せくださいませ。