住宅宿泊管理業登録要件「住宅の取引又は管理に関する契約実務を伴う事務」の具体例

民泊管理業(住宅宿泊管理業)の登録申請を行う際、多くの方が頭を悩ませるのが「必要な体制」の要件です。
【事業者の免許等で証明する場合】
- 住宅の取引又は管理に関する2年以上の事業経歴書
- 宅地建物取引業の免許証の写し
- マンション管理業の登録の通知書の写し
- 賃貸住宅管理業の登録の通知書の写し
【従業員等の資格等で証明する場合】
- 登録実務講習の修了証の写し
- 住宅の取引又は管理に関する2年以上の職務経歴書
- 宅地建物取引士証の写し
- 管理業務主任者証の写し
- 登録証明事業の証明書の写し
(賃貸不動産経営管理士試験に合格した者)
本記事では、上記要件の中にある「住宅の取引又は管理に関する2年以上の職務経歴書」について詳しく解説いたします。
各整備局の手順書等には「住宅の取引又は管理に関する契約実務を伴う事務」を2年以上経験していること、と記載されていますが、この表現だけでは「具体的にどんな仕事が含まれるの?」と判断に迷うことが多々あります。
そこで今回は、近畿地方整備局の公表している手引き(ガイドライン)に基づき、実務経験として認められる業務・認められない業務の境界線について、行政書士がわかりやすく解説します。
近畿地方整備局が定める
「契約実務」の3要素
結論から申し上げますと、単に不動産会社に勤務していただけでは要件を満たさない場合があります。
近畿地方整備局の「登録申請書作成の手引き」によると、実務経験として認められるためには、以下の「一連の業務」を行っていた(または補助していた)実績が必要です。
【契約実務の3大要素】
- ✅ 依頼者との調整業務
- ✅ 契約に関する事項の説明業務
- ✅ 契約書面の作成および交付業務
※これら「全て」を行うことができる、または補助する業務経験が求められます。
つまり、これらの一連の流れに携わらない「分業の一部のみ」や「単純作業」は認められない可能性が高いということです。
1. 実務経験として認められる具体的な業務例
主に以下の3つの業種における、上記「3要素」を含む事務作業が該当します。
① 宅地建物取引業(不動産仲介・売買)
- 重要事項説明書の作成および説明(補助含む)
- 売買契約書や賃貸借契約書のドラフト作成・交付
- 契約条件に関する顧客との調整・交渉
② 賃貸住宅管理業・マンション管理業
- 管理受託契約の締結・更新手続き
- 入居者との賃貸借契約の締結・解約手続き
- オーナーへの定期報告(送金明細作成等の金銭管理含む)
2. 注意!実務経験に含まれない業務(NG例)
近畿地方整備局の手引きでは、以下のようなケースは「実務経験として認められない」と明記されています。
【対象外となる業務の例】
-
❌ 単なる資料作成のみ
(上司に言われてコピーをとる、文字を入力するだけ等の単純作業)
-
❌ 住宅以外の取引・管理
(事務所ビル、店舗、倉庫などの契約実務は対象外)
-
❌ 単純な物理的作業
(清掃、電球交換、警備、受付業務など)
-
❌ 名義貸し状態の自己所有物件
(自分の物件だが、実質的な契約調整は管理会社が行い、自分はハンコを押すだけだった場合など)
実務経験証明書にハンコは必要?
申請に使用する「実務経験者職務経歴書」等の書類についてですが、行政手続きのデジタル化に伴い、現在は原則として押印不要となっています。
以前の勤務先等に証明を依頼する際も、わざわざ実印をもらいに訪問する必要はなく、PDFデータ等でのやり取りで完結できるケースがほとんどです。
※ただし、自治体や担当窓口によって運用が異なる場合があるため、念のため最新の手引きを確認することをお勧めします。
まとめ
近畿地方整備局の基準は具体的かつ厳格です。これまでの不動産業界での経験が、この実務経験に該当するのか参考になりますと幸いです。
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